千葉県では一般世帯の約32%でプロパンガスが使用されています。一方都市ガス世帯は約60%ですので、世帯数の割合から言えば都市ガスの方が多い県です。ただし県全体の世帯数が多いため、数の比較で言えば同じ関東地方の群馬県や栃木県などよりもプロパンガスの消費量が多くなっています。
県内の都市ガス事業者は18社に及びます。都市ガスは公共料金ではありますが、電車やバスなどと同じく、会社によって料金が違います。都市ガスの全国平均よりかなり安い事業者もあれば、都市ガスとしては高い部類に入る事業者もあります。一般に「プロパンガスは都市ガスより高い」というイメージがあるようですが、都市ガスの料金も千差万別であることは知っておいてよい事柄でしょう。
都市ガスが公共料金なのに対して、プロパンガスは自由料金です。両者の違いを簡単に言えば、プロパンガスの場合、同じ会社を使っていたとしても、世帯ごとに単価や料金体系が違うことが珍しくないということです。例えば交通の便の良い都市部の方が山間部より安いというのであれば納得もしやすい話ですが、お隣の家と両院体系が違うということもあり得ます。こういった状況ですから、実は千葉県に限らずプロパンガスの相場(平均)というのは正確にはわかりません。客観性のあるデータは存在しないというのが現状です。
それでも石油情報センターが発表しているデータがあるため、料金の相場について一応の目安はつけられます。ここ数年、千葉県のプロパンガス相場は概ね500円程度で推移しています。これは全国的には水準かあるいはそれ以下の価格です。
当協会にご相談いただく方の殆どが、「うちの料金は相場と比べてどうなのか?」といった疑問を口にされます。それに対しては客観的にお答えしていますが、上に書いたようにプロパンガスの場合そもそも相場というものの信頼性が非常に低いと言えます。なぜなら業界全体で「プロパンガスは高い」という印象を作ってしまえば、料金が高いというクレームが来た時に対応しやすいため、敢えて高い料金を提示しているということも考えられるからです。
これに対し適正価格とは、プロパンガス会社が必要な利益を確保したうえで極力安く供給する価格という発想ですから、不明瞭な部分がありません。もちろん地域差はあるのですが、当協会が会員のガス会社と協議の上で価格を決定しています。また、プロパンガスの価格は輸入価格の影響を大きく受けます。ですから、適正価格も時勢によって変化することがありますが、これは当たり前のことと言えましょう。
むしろ「いつまでも値上げしません」という方が理にかなっていないのです。しかし、流山市の事例などにも見られるように、このようなうたい文句で営業活動をしている会社は多く、そういった売り込み文句で営業してくる会社には注意が必要です。