一般にプロパンガス料金が高いあるいは安いという表現がありますが、実際には料金とは総額のことですから、使用量によって違いが出るため、比較はできません。自宅のガス料金が高いか安いか、あるいは平均的な料金はいくらかというのは、1立方メートルあたりの単価(従量単価)を知ることによってわかります。
川崎市は横浜市、相模原市と同じく行政区を持つ市ですが、同時にプロパンガス会社の営業活動が活発な地域でもあります。その影響もあってか平均価格は全国的に見て安い水準と言えます。石油情報センターのデータを基に計算すると、従量単価は485円(2014年12月)です。もっとも同じ南関東でも流山市などは平均が463円ですから最安値ということではありませんが、それでも平均単価が500円を切っていますのでやはり安めと言えるでしょう。
では、ご自宅の単価が川崎市の平均並みであれば良いかというとそうではありません。なぜなら適正価格と平均価格には大きな差があるからです。
適正価格とは平均価格とは関係なく、原価を考慮してガス会社の利益を確保しつつ消費者が使いやすい価格に設定したものです。プロパンガスは大半を輸入に頼っているエネルギーですから、適正価格にも変動はありますが、少なくとも平均価格から100円は低い価格です。
ちなみに2015年1月現在で川崎市の適正価格は300~350円です(地域や対応ガス会社によって異なります)。高い方の値をとって350円としても、平均価格が463円ですから、やはり100円以上の違いが出ることがわかると思います。
先に書いたように、川崎市はプロパンガス会社の営業が激しい激戦区と言えます。厚木市の事例などに見られるように、ガス会社の訪問営業が盛んなのですが、そのほとんど全てが、後々維持できないような低価格の料金表を提出してきます。このようにガス会社側が赤字になるような価格を売り込み価格と言いますが、その価格は長くは続きません。ガス会社も企業ですから、黒字を出すために当然値上げをしてきます。これはプロパンガスが自由料金であるから起きる問題です。
公共料金であれば値上げにも値下げにも認可が必要です。しかしプロパンガスは違うため、ガス会社が任意に価格や料金体系を変更することが出来ます。そのため上に書いたように、契約時だけ安い価格を提示して、徐々に値上げをするという手法がまかり通ってしまうのです。
当協会の適正価格保証はそういったことのないように、ご紹介したガス会社について協会が責任を持つということを保証するものです。先に書いたように適正価格にも変動はありますが、その時々で適正な価格が維持されることが、消費者にとって重要であると、当協会では考えています。
料金自動診断で、単価が「高い」と表示された方は一度ご相談ください。