関東地方、特に神奈川、埼玉、千葉の各県及び東京都はプロパンガスの激戦区と言われています。その意味はガス会社による訪問営業が活発だということです(厚木市などの事例参照)、あまり良いイメージを持たれない方が多いかと思いますが、プロパンガス業界でもそれは同じです。
プロパンガスの料金は公共料金ではないので自由料金制です。ガス会社は自由に価格設定が出来ますし、値上げや値下げについても同様です。そのため訪問営業をしているガス会社の殆どが、原価割れするような安い料金表を提案してきます。横浜市港北区などの事例にあるように、こういったケースではまず間違いなく後に値上げをされてしまいます。
もちろん訪問営業をしているプロパンガス販売店の全てが同様ということではありませんが、話を聞く際には細心の注意が必要です。ポイントの一つは提示された価格が適正かどうかということです。極端に安い価格を信用して契約してしまうと、契約当初はいいでしょうが、値上げされて結局元のガス料金より高くなってしまいます。
プロパンガスの価格について、よく受ける質問が「相場(平均)はどれぐらいか」ということです。しかしこの質問に答えるのは簡単ではありません。と言うよりは不可能に近いです。なぜなら上に書いたようにプロパンガスは自由料金の商品ですから、同じガス会社でも利用者によって料金体系が異なることが珍しくないからです。加えて、平均価格を割り出すための元になるデータとして信用できるものが存在しません。石油情報センターが出しているデータはあるのですが、これはガス会社の自己申告がソースであるだけでなく、無回答のガス会社も数多くあるからです。
このようにプロパンガスの平均価格というものは掴み辛いのですが、一応のデータとしては、横浜市の平均価格500円程度(2014年12月現在)は神奈川県の水準程度、もしくはやや高めと言えます。一方当協会が横浜市において適正と考える単価は330円程度です(2014年12月現在)。適正価格とは、ガス会社の利益を確保したうえで、消費者が使いやすい価格帯で供給することです。横浜市では都市ガスも供給されていますが、適正価格での供給であればプロパンガスと都市ガスの料金に大きな差はでません。実際にどれぐらいの差になるかを数字で比較します。なお、両者はカロリーが違うため、都市ガスの使用量をプロパンガスの2.18倍として計算します。
比較してみると、確かに都市ガスの方が安いものの、世間一般に流布しているイメージほどの差額ではないことがわかるのではないでしょうか。これはあくまでも適正価格でプロパンガスを使用した場合の比較です。ご自宅のプロパンガス料金が適正かどうか、まずは料金自動診断で確認されてはいかがでしょうか。