プロパンガスから都市ガスに切り替える際の条件

都市ガス供給エリア内に含まれる
都市ガスの供給範囲は限定されており、地域によって異なります。地下にガス導管が無いと供給できないため、まずは自宅が都市ガスの供給エリア内にあるかどうか調べる必要があります。
自己所有の戸建てである
ガスの切り替えを検討している住宅が、自己所有の戸建てでなければ切り替えは難しいといえます。
賃貸住宅や分譲マンションの場合、ガス会社は大家さんや管理会社が一括して契約しているため、勝手に変更することができません。
ただし、賃貸でも戸建てであれば、住人が決めることができるケースもあります。
プロパンガスから都市ガスへの切り替え手順

ガスの供給会社によって順序などが多少異なることはありますが、一般的には以下のような手順で切り替えていきます。
- 都市ガス供給会社と契約
- プロパンガス会社に解約を伝える
- 道路地下の導管から自宅まで都市ガスを引き込むための工事
- 都市ガスを開栓
プロパンガスから都市ガスへの切り替え費用

工事費用
自宅で使用するガスを都市ガスに変更するためには、中古住宅ですでに都市ガスが供給されている場合を除き、配管工事が必要です。
都市ガスの供給エリア内の地下には太いガス導管が通っていますが、各家庭までの配管は必要なときに行います。
まだ配管が無い場合は、設置するために地下を掘って引き込み工事を行います。工事にかかる費用は、主要なガス導管からの距離1メートルにつき約1万円が相場といわれています。
主要なガス導管からの距離は、一般的な住宅地では大体10~15メートルですので、工事だけで10万~15万円はかかることが考えられます。
設備機器費用
プロパンガスと都市ガスでは給湯器やガスコンロなどの種類が異なります。それぞれガスの発熱量が異なるため、発熱量に合わせたつくりになっています。
プロパンガスから都市ガスに切り替える際には、こうしたガス機器をすべて買い替えなければならず、トータルで何十万円も買い替え費用がかかります。
ただし、これまで使用していたプロパンガス機器を部品交換により都市ガス仕様へ変更できる場合もあり、その場合は交換工事のみで数万円で済みます。
プロパンガスの違約金
都市ガスに切り替えるため、プロパンガスを解約する必要がありますが、無償貸与契約を結んでいると違約金を請求される可能性があります。
無償貸与契約は、プロパンガスを契約した際に、工事代やガス機器の代金を一度に支払うのではなく、分割して毎月のガス代に上乗せして払う契約です。
10~15年の長期契約が多いため、契約期間終了前に解約すると残金をまとめて支払わなければなりません。
都市ガスに切り替える前に、残金の有無や金額を調べておく必要があります。
プロパンガスなら都市ガスへ切り替えなくても節約できる

プロパンガスを都市ガスに変更することなくガス代を抑えるワザとは、ガス会社の変更です。ガスの種類を変えないため、工事代や設備機器の費用はかかりません。
同じプロパンガス会社でもガス代は違いますし、好きなガス会社を選ぶことが可能です。ただし、料金をホームページなどで公開しているプロパンガス会社はまだまだ少ないのが現状です。
そのような時に役立つのがプロパンガス消費者協会です。
協会は、都市ガス価格を参考にしたプロパンガスの適正価格を設定し、消費者にもガス会社にも利益のある仕組み作りを行っています。
協会に相談すると無料で適正価格のガス会社を紹介してもらうことができます。
適正価格だとどのくらいガス代が抑えられるのか、東京都の事例を見てみましょう。
石油情報センターが2024年8月に発表した東京都のプロパンガス平均価格は、基本料金が1,906円、従量単価が約627円です。一方、東京都の適正価格では、基本料金が1,650円、従量単価が308円です。
この内容から10m3使用時の差額を求めてみます。
このように、適正価格であればプロパンガスであっても毎月3,000円以上節約できます。
一般的に格安価格のプロパンガス会社は、契約時だけ安い価格を提示し、契約後に自由に値上げを行って最終的に利益を出すことが多いですが、協会が紹介する会社はそのようなことは行いませんし、「適正価格保証」がついているため、万が一の際も安心です。
プロパンガス代が高くて困っている方は、ぜひ一度協会への相談をおすすめします。
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